2015年5月30日土曜日

コアについて

先に投稿しいましたが、コアは大別すると「既成品コア」と「耐熱レンガ現場組み」の
2つに分かれます。
後者は、ある意味オーダーメイド品で自由なレイアウトができます。
炉の大きさや煙道の取り回しなど。 反面、施工工期もかかるし耐熱レンガの
現場加工も必要です。 また炉の扉取付に金属部品も必要なようです。
このような金属部品は、レンガと膨張率が異なるので長い目で見て耐久性に
どう影響するのだろうか? と気になります。 多分、大きな炉を組む場合に有利
なんだろうなと思います。

また、MHの耐震性を確保する場合コアの一体化が必要でしょう。
上図では、コア外周を段ボールで包み、さらに鋼材で補強し最後に石積み外装を
施しています。 段ボールは熱分解しますが、コアの膨張代を確保する為に必要です。
鋼材で、コアの耐震性を確保します。
これは、ファイバーグラスのクロスを補強材としているようです。その下に段ボール
が透けて見えます。 いずれにせよ、基礎とコアは何らかの方法で連結する必要が
あると思うので、構想案としては鋼材は必須と考えます。

コア上部には、ベイクオーブンを設置します。
このオーブンには、White OvenとBlack Ovenの2つの選択肢があります。
ホワイトは、熱風だけを導入します。 従って、薪燃焼中の料理も可能。
ブラックは、炉の真上に位置し、炎も入り込みます。構造が簡単です。
 White Oven
 Black Oven



2015年5月27日水曜日

ちょっと、ややこしい

MHのような大きく重い物体が宅内にあるのは
怖いといえば怖い。 しかも、内部は高温です。
地震の際に、動いたりひっくり返ったら大変です。

それで、計算してみました。
私の仕事上このような計算は当たり前にやってます。
しかし、建築は詳しくないのでネットで事前調査。

その結果、建築設備の耐震基準では地震強度が300gal
と判明。 (震度で言うと、4〜5位でしょうか)

その300galを元に、MHの転倒や滑動(ずれる)に
ついての計算をしました。
その結果、300galでは問題無い事が判明しました。
計算の細かい事は省略しますが。
ちなみに、こんなストーブは地震の時は間違いなくやばそうです。
今回の計算の前提条件としては「MH全体の変形が無い事」
です。 レンガ積みの目地から崩れたら元も子もないです。

ですから、施工においては鋼板のバンドやガラスメッシュで
コア全体をケアして、変形を防ぐ必要があると思います。

2015年5月23日土曜日

閑話休題

Masonry Stove(Heater)は、日本語発音ではメーソンリーとかメイソンリーと
なります。 意味としては、組積構造という事です。
由来は、メーソン。 石工職人だそうです。 レンガや石を組み上げる職人の事。
だから、MHは、組積構造で作った蓄熱式ヒーター(ストーブ)の総称です。

例えば、ロシア(旧ソ連)や東欧で有名なペチカもMHに含まれます。

上図は、日本の業者さんが作っているペチカですが薪ストーブ併用ですね。
排気をこのように巡らせてレンガに蓄熱しています。
但し、燃焼機構は薪ストなので高温燃焼や薪消費量的にどうなのか?
という処が気になります。
これは、海外の施工例ですが薪ストの代わりに焚口が飛び出ていて、
その上部で料理などもできるようです。しかし、炎を楽しむというより
機能本位といった感じで、私的には好きではありません。

このペチカ以外の蓄熱式ストーブはどんなでしょう?
ティッケルヒーターというのがオランダからリリースされているようです。

コアもあり、オーブンもついているようで私の構想案に近い構造です。
コアと外装の両者で蓄熱する形式で、煙道を巡らせる形式ではなさそう
です。 外装材料も選択肢がなさそうです。
組立は、モルタル不要で積み上げるだけのようで引越するときも分解可能
との事です。 しかし、積み上げるだけなので日本の地震対応はどうでしょう?
補強鋼材などを別設置すると、外観的に目立ちますね。

最近、信州でロケットストーブが人気のようです。
この写真ではレンガのソファ座面下に煙突を巡らせてあり、この煙道部で
蓄熱するようです。
このロケットストーブの特徴は、煙道を横引きできる事です。 強いドラフトを
発生させる事ができ、長い煙道設置が可能だそうです。 しかし、これも
ペチカ同様に、炎を楽しむというより機能重視だと感じます。
ただし、構造的に横長にできそうなので耐震という意味ではペチカより
有利かも知れません。

これらの他に、薪ストの変わり種のようなのもあります。
外装板の一部に石板を使っているHearth Stoveというものです。
石による蓄熱を考慮した薪ストとティッケルヒーターのハイブリッド
のような感じですね。

2015年5月22日金曜日

MHの構成(その1)

MHの基本機能は、燃焼+蓄熱と言えるでしょう。
高温で燃焼させ、すすも少ないらしいので薪ストよりメンテは
楽かも知れません。

蓄熱に関しては、排気の通り道(煙道)の配置や延長で性能も
決まる。 さらには、薪の量でも発熱量が変わってきます。

欧州発祥のMHなので、対象面積(部屋の大きさ)も日本家屋より
大きく、最低でも100m2くらいとなります。 大きいものだと
300m2くらいが対象となります。 

部材の構成としては、炉心部(コア)と外装に大別されます。

コア構成は、耐熱レンガでカスタム的に積む方法と耐熱コンクリート
ブロック製(メーカー製)の2種類があります。  [レンガ積みコア]
                                            [既成品コア]
   日本で、レンガ積みコアを設計してくれそうな業者さんはネットでは
 見つける事ができませんでした。
 
 既成品コアは、海外にいくつか業者を見つける事ができました。
 日本にあるMH業者さんは、薪ストーブ施工を兼ねている処が多いようで
 MHと煙突をセットで施工してくれるようです。 たぶん、既成品コア
 を輸入して外装をカスタムで施工するのでしょう。

 コアをレンガで積む場合、煙道もレンガで計画する必要があると思われます。
 その結果、必然的に煙道の大きさがレンガ規格に左右され、結果として
 大きなMH(暖房対象面積が大きい)となると思われます。
 日本家屋では100~150m2くらい(30坪〜40坪)が多いだろうから
 レンガ積みコアにする必要はあまりないと感じます。

 施工工期の面でも、既成品コアの方が有利です。 既成品の組立は
 ブロックを耐熱モルタルで組み上げるので短期間(数時間)で可能だ
 そうです。 メーカーHPでは小さなコアで2時間。 大きなものでも
 6〜8時間くらい。(つまり1日でコア施工は可能)
 既成品コアは煙道も内蔵なので、よりコンパクトであり、暖房面積も
 100m2〜なので、日本家屋向けと言えるかもしれません。

 私の構想案でも、既成品コアを採用する事とします。
上図のように、パレットで輸送されるのでしょうね、きっと。

2015年5月21日木曜日

薪ストーブとメーソンリーヒーターの違い

まずは、薪ストーブとの違いについてです。
薪ストーブは平たく言うと、「鉄板で囲った箱の中でのたき火」です。
そのたき火を、効率良く、かつ環境に配慮した構造になっている。


現在では、上図のように、場合によっては触媒まで使って
微粒子を排除するようになっている。
しかし、本来なら完全燃焼すれば微粒子まで燃えるはずです。
そのような高温燃焼は(1000℃くらい)はストーブ筐体(鉄板・鋳物)
にもあまり良くないらしい。 だからこのような構造で低温燃焼
での微粒子排除をする訳です。

片や、メーソンリーヒーター(略してMH)は、筐体は自然素材です。
(耐熱レンガ等)
従って、高温燃焼も可能なので、構造は薪ストーブより単純で良い。
高温なので、完全燃焼しやすい(1000℃でも問題無い)。
そして、排気通路をこのようにする事で筐体全体で蓄熱する。
その蓄熱により、1日2回ほど薪を焚くと24時間放熱します。
その替わり、速熱性は薪ストーブに劣ります。
筐体表面温度は、50-70℃程度だそうでやけどの心配もあまりない。
排気通路の途中にオーブンを設置すれば料理もできる。

私的なポイントは、薪消費量が少ない事とオーブン。
薪消費は薪ストーブの1/2〜2/3くらいだそうです。
薪ストの場合、オーブン付きだと鋳物ではなく鉄板製が多く
結果として鉄板製は耐久性に劣ると判断してます。

従って、オーブン・薪消費といった点でMHが優位だという次第。
反面、MHは重い・大きいというデメリットもある。
薪スト自重が150-250kgに対して、MHはその10倍くらい。
この重さのため、重量を支える基礎構造から計画する必要がある。
既存住宅に後設置するにはかなり面倒そうです。

2015年5月4日月曜日

メーソンリーヒーターについて

最近、将来の田舎暮らしを妄想している中で
薪ストーブ設置を構想するようになりました。

そして、薪ストーブについてネットでいろいろ
調べているうちに、さらに暖房効率の良さげな
このメーソンリーヒーター(ストーブ)を知り
興味が涌いてきました。

それで、このブログでは私の自習課程の備忘録
を兼ねて知り得た事をいろいろ書き綴って
いこうと思います。